第4章 玩具
「だって、すごくモテるのに女の子の噂とか全然聞かないし...」
確かに噂は聞いたことないけど...
茉莉は雨宮君の本性知らないからなぁ...
「でも今のままがいいのかも!誰かと付き合ったりしたら嫌だし...。それに、あれだけ人気なんだから噂になった女の子は絶対イジメとかになりそうだよね~」
茉莉の言葉を聞いて、正直怖くなった...
うっとりと雨宮君を見つめる茉莉
(昨日の事...茉莉が知ったら、嫌われるのかな...)
そうこうしているうちに、チームを組んでバレーボールが始まった
体育館を半分に割って、向こう半分では男子がバスケットボールをしていた
(私の所にボール来ませんように!)
試合開始の笛が鳴る
相手側のサーブからだ
ボールは大きな弧を描いて私の方へと向かってきた
(えっ!?無理無理!!)
「あゆ!そっち行ったよ!」
それは分かってるってばー!!
無我夢中で腕を伸ばすとボールが当たり弾き返した
「あゆナイス~!」
ボールが相手コートに入った...
その光景にホッした瞬間、隣のコートから悲鳴が...
「きゃああ!!」
「あぶないっ!」
何かと思って顔をそっちに向けた瞬間
バンッ!!
鈍い音と共に目の前が白くなりチカチカする