第4章 玩具
速くなる鼓動
ゆっくりと振り返ると、雨宮君と...
いつも一緒にいる武本 駿(タケモト シュン)君がいた
武本君がいる事で物凄く安堵した
2人きりじゃない
それがすごく救いだった
「大丈夫?椎田さん」
柔らかく微笑んで手を差し出す雨宮君
(なんだか...すごく変な感じ)
雨宮君の手を掴んだ瞬間
授業の始まりを知らせるチャイムが鳴った
(ヤバイ...遅刻だ)
グイッと引っ張られて立ち上がると、雨宮君の唇が怪しく弧を描く
危険だと感じた時には雨宮君の腕の中に引き寄せられていた...
思考がついていけずに固まっていると、雨宮君の唇が耳元に近づいてくる
「男の着替えを覗きに来るなんて...悪趣味だな」