第4章 玩具
(.....え?)
顔を上げると武本君と目が合う
こちらを真っ直ぐ見てくる彼の視線に頬が熱くなると、思いきり雨宮君を突き放した
「ち、違っ...」
言いかけた瞬間ハッとした
今日はいつも通りにするんだった...
いつも通り、いつも通り
いきなり黙り込んだあゆを見て、恵は眉を寄せる
「おい...?」
「...手、ありがとう。早く体育館行こう。」
ニッコリと笑顔で言った
「は?」
私は顔をしかめた雨宮君を無視して、くるりと後ろを向くと体育館へと向かった
体育館に入ると近づいてきた先生に怒られるかと身構えた...が、逆に「大丈夫か?」と心配された
どうやら山口君が大袈裟に言ったらしい
後から来た雨宮君たちに先生はお礼を言っていた
(あの人...外面だけはいいからね。先生騙されてるよ...)
雨宮君たちを遠目で見ながら茉莉の所へと向かった