第4章 玩具
そこには隣の席の山口 勇介(ヤマグチ ユウスケ)君が心配そうに眉を下げて立っていた
「本当ごめん!鼻打った...?」
「ううん!大丈夫だよ。私がちゃんと前見てなかったから...」
山口君の問いかけに苦笑する
それでも山口君は「ごめんな」と言って、少し屈むと手を差し出してくれた
(山口君って、優しいな...)
「ありが...」
「勇介、もう授業始まるから先行って。後は俺に任せればいいから」
山口君の手に掴まろうと手を伸ばした時、後ろから聞こえた声にビクリと反応した
「あぁ...ありがとな。 恵」