第16章 動き出した運命
ピンポーン
あの日から4日後
腕の怪我の痛みも少し治まった頃
インターホンに映し出された人物を見て、恵は溜息をついた
「なんだよ...」
ドアを開けるなりだるそうに言葉を放った恵に対して、駿は満面の笑みを恵へと向けていた
「明日、祭り行こう!」
唐突な駿の言葉に眉を寄せる恵
「は?祭り?」
「そう!今年の夏休みは夏らしいことしてないだろ?恵の怪我もよくなってきたしさ!」
「お前らカップルで行けよ...」
突然家に来たかと思えば...
ニコニコとこれ以上ない笑顔を向けてくる駿を見て恵は本日2度目の溜息をついた
「みんなで行くのが楽しいんだろ!あゆちゃんも呼ぶから、絶対来いよなっ!」
ビシッと顔の前で指を差され、鋭く見てくる駿に恵は仕方なく頷く