第14章 崩れゆく嘘[中]
「璃央ちゃん。今度の花火大会、皆で一緒に行かない?」
夏休みに入っても私たちは4人でいた
恵たちの部活が終わるのを待つ間、教室で時間を潰していた
私が見ていた雑誌の浴衣特集を見て、梨奈が目を輝かせて聞いてくる
以前より親しく接してくる梨奈に私は僅かに眉を寄せた
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『やめるって、どういう事!?』
それは、イジメを指示していた女子グループのリーダからの申し出だった
『...私たちも嫌気がさしてたから』
『最初は乗り気だったじゃない!』
『梨奈は、裏なんてないよ』
『え...?』
真っ直ぐな瞳に息を呑む
『あの子は強い。もう...こんな事絶対しない方がいい』
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イジメをやめるという事を告げられた時の事を思い出し、目を瞑っていた私に梨奈は首を傾げた
「璃央ちゃん...?」
「...その日は予定があるから。ごめん」
「そっか...。予定があるなら仕方ないよね」
寂しそうに笑った梨奈
私は...悪くない
ただ、引き止めたかっただけ
それだけだったのに...