第14章 崩れゆく嘘[中]
陽が落ち辺りはすっかり暗くなってしまった
迎えが来た璃央を見送るために、梨奈は璃央と2人で歩いていた
客間を出てから一言も会話は無い
璃央が玄関を開け外に出た瞬間、梨奈は重い口を開いた
「璃央ちゃん...」
その声にゆっくりと振り返る璃央
開いている門の先には葵が立っていた
「私は...璃央ちゃんが大好きだよ」
真っ直ぐ見つめてくる梨奈の言葉に璃央は眉を寄せる
「...え?」
「これからもずっと璃央ちゃんと一緒だと思ってた。4人でいる事が当たり前すぎて、大切なモノを大切に出来てなかった...」
視線を下げゆっくりと呟いていく梨奈の言葉に璃央は黙ったまま見つめていた
「一番許せないのは...私が、璃央ちゃんを傷つけてたっていう事...」
「......」
「璃央ちゃんが傷つく事は、もうしないから」
顔を上げ目が合った梨奈はにっこりと微笑んだ