• テキストサイズ

恋愛玩具

第14章 崩れゆく嘘[中]



目線を合わせるように屈んだ梨奈の父親は、優しく梨奈に問い掛ける

「梨奈、誰に嫌がらせを受けているんだ?」

その問い掛けに答える事なく、梨奈は視線を落としたまま唇を強く噛みしめた

「梨奈...。言えない相手なの?」

梨奈の母親も心配そうに眉を寄せながら首を傾げる

璃央も隣の梨奈へと視線を向けた

「...ごめんなさい」

俯いたまま小さく呟いた梨奈に、父親は眉を下げる

「辛い事を聞いて悪かったね...。1つ、提案があるんだが聞いてくれるかい?」

穏やかな父の声にゆっくりと顔を上げた梨奈は小さく頷いた

「別の学校へ転校してみないか?」

父親の言葉にその場が静まり返る
璃央も思わぬ提案に目を見開き驚いていた

「転校...」

「ああ。今の学校は高等部までほぼ同じ生徒が通うだろう。もちろん、梨奈の気持ちを一番に尊重するが...転校する方法もあるという事を考えてほしい」

その言葉に母親も頷き梨奈を見つめていた

そんな両親を見て梨奈は暫く黙った後、ゆっくりと目を伏せた

「...少し、考えさせてください」

「もちろん。ゆっくり考えて、梨奈が一番だと思う答えをまた聞かせてくれたらいいからね」

父親の優しい掌が梨奈の頭を撫でた

/ 311ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp