第14章 崩れゆく嘘[中]
「ただいま帰りました」
「梨奈様。璃央様がいらしております」
「璃央ちゃんが...?」
客間へと入ると梨奈の両親と向かい合って璃央が座っていた
「おかえりなさい。梨奈」
微笑む璃央に対して、梨奈は自然と表情が強張ってしまう
「梨奈...、璃央ちゃんから聞いたよ。学校で嫌がらせを受けている事を何故隠していたんだ?」
「...それは」
「璃央ちゃんが教えてくれたから良いものの、ずっと1人で耐えるつもりだったのか?」
父親の言葉に梨奈はゆっくりと目を伏せた
「黙っててごめんなさい。迷惑を掛けたくなかったの...」
肩を竦める梨奈を見て、父親は優しく微笑み立ち上がった
「迷惑だと思う親がいると思うかい?さあ、座りなさい」
梨奈の肩を抱き璃央の隣に座るように促すと、梨奈はゆっくりと腰を下ろした