第14章 崩れゆく嘘[中]
「イジメを受けてる事。どうして言わないの...?」
「璃央ちゃん、どうして...」
動揺しているのか、大きく開かれた瞳が揺れ動く
そんな梨奈に私は更に追い討ちをかけた
「誰かに言ったら、私を巻き込むから?」
「...っ!」
梨奈へのイジメがエスカレートしていく中
私は“誰かに口外すれば霧島璃央も同じ目に合わせる”と脅すように指示していた
梨奈の性格を知っているが故に、梨奈が深く傷つきそうな事が容易にわかる
自分だけならどんな酷い事をされても梨奈はひたすら耐えるだろう
でも...それが自分以外に向けられれば、絶対に耐えられない
それに...私はそれ以上に梨奈が傷つく事を知っている
「もしかして、璃央ちゃんもあの子たちに...?」
目の前で小さく震える梨奈を見て、私は笑いを堪えることが出来なかった