第14章 崩れゆく嘘[中]
「ぶっちゃけさぁ。梨奈ってただのいい子ちゃんじゃない?」
そんな時、ふと耳に入ってきた声
「雨宮君は梨奈のどこがいいんだろ?」
「実は裏の顔があったりして~」
そう言ってケラケラと笑っている数人の女子たち
私はその女子グループの前で立ち止まった
「っ...!?」
「ヤバッ...!」
梨奈と仲が良い事で知られている私が突然目の前に現れて焦っている彼女たちに向かって、私はゆっくりと口を開いた
「梨奈があなたたちの事言ってたわよ」
「恵にたかる害虫だって...」
私の放った言葉に中心にいた女子が眉を寄せた
「それ...マジ?」
その言葉に返事をする代わりに私は微笑んだ
「あんた、梨奈の親友なんじゃないの?」
「...私も、うんざりしてた所なの」
心の奥底にしまい込んでいた感情が...溢れてくる
「誰にでもいい顔してるあの子の化けの皮を剥がしてやりたいとずっと思ってた...」
ぽつりぽつりと呟いていく私の言葉を黙って聞く彼女たちを見て私はニヤリと笑った
「お願いがあるんだけど...協力してもらえないかしら?」