第14章 崩れゆく嘘[中]
それから、私の醜い心は増幅していくばかりだった...
恵と梨奈の話を聞いてから2ヶ月が経った頃
私は梨奈たちと距離と置くようになってしまった
「璃央ちゃんいるかな?」
私の教室の入り口で顔を覗かせる梨奈
声をかけられた女子が私の姿を探すように周りを見渡した
「あれ?さっきまでいたんだけど...」
その言葉に梨奈は一瞬顔を曇らせるも、すぐに笑顔になった
「そっか...、ありがとう」
向こうへ歩いていく梨奈の後ろ姿を私は廊下の曲がり角から眺めていた
私の気持ちを察しているんだろう
ここ最近、梨奈は頻繁に私を訪ねに教室へやってくる
気づけば恵たちを一緒に待つことも無くなってしまった...
1人でベンチに座っている梨奈に皆が必ず声を掛けていくのを遠くから見た事がある
いつも誰かに囲まれている梨奈の姿を見る度に、私の心は闇の底へと沈んでいった
(どうして...。皆、梨奈ばっかり...)