第14章 崩れゆく嘘[中]
「璃央ちゃん?どうしたの?」
梨奈の声にハッと顔を上げる
いつもの放課後
サッカー部に所属している恵と駿を、梨奈と一緒に待っていた
グラウンドの隅にあるベンチが私たちの特等席
駆け回っている2人をそこからいつも見ていた
いつもと様子の違う璃央に首を傾げる梨奈
そんな梨奈の仕草でさえ、気に障る...
「...梨奈。恵と、付き合ってるの?」
ぽつりと呟いた言葉に梨奈の動きが止まる
横目で見た私の瞳と梨奈の瞳がぶつかった
「...うん」
私に気を遣っているのか...遠慮がちに呟いた声に、心の奥底から沸々と何かが湧いてくる
「ごめんね...、璃央ちゃん...」
その言葉で、私の中で何かが弾け飛んだ
「ううん、気にしないで。私たちは...」
顔を上げて笑顔を見せる
偽物の笑顔を...
「親友でしょ?」
私の中で、何かが壊れていく
恵が欲しい
梨奈が邪魔だ...
消えていなくなればいいのに...
いつからか、ずっとそんな事を考える様になっていた
4人でいる時も
学校にいる時も
家にいる時も、ずっと...