第14章 崩れゆく嘘[中]
「えっ...?」
中等部1年の夏
私は人づてにある話を聞いた
「恵君、梨奈と付き合ってるんだって」
「え~!そうなんだあ...。でも、梨奈なら仕方ないよね」
「確かにっ!梨奈だったら恵君と付き合ってても許せちゃうかも!」
理科室から教室へと戻る最中にクラスメートから発せられた言葉に目を見開く
(恵と...梨奈が...)
「......」
「璃央?」
固まっていた私に皆が視線を向ける
「もしかして...璃央、知らなかったの?」
「う、ううん...。知ってた、よ」
「そうだよね、2人の親友だもん」
親友...
その響きに、胸が軋むように痛んだ
恵と梨奈が特別仲が良いのは知っていた
それも昔からずっと...
初等部で3人に出会って何年か経った頃
恵に恋心を抱いていた私は、恵と梨奈がお互い想い合っている事に気づいた
卑怯な私は梨奈に言った事がある
恵の事が好きだという事を...
梨奈の事だから、私の気持ちを知っている以上
恵とは付き合わないと思ってたのに...
私はこの頃から
梨奈が憎くてたまらなくなった