第14章 崩れゆく嘘[中]
「梨奈!」
駿と共に急いで病院へと来ると腕や足に包帯を巻いた梨奈が恵と共に座っていた
「璃央ちゃんっ!」
璃央を見るなり立ち上がる梨奈
その腕の中には、同じように包帯が巻かれたチビが抱かれていた
「梨奈...どうしてっ...」
「璃央ちゃん、チビ...大丈夫だって。耳は片方無くなっちゃったけど問題ないって!」
微笑んだ梨奈の言葉に目を見開く
左耳から顔全体に掛けて包帯が巻かれているチビ
小さな脚や身体も包帯で覆われていた
衰弱しきっているのか、梨奈の腕の中でチビは小さく震えていた
目にじんわり涙が溜まる
喉元がきゅっと苦しくなった
「なんで...野犬なんかに1人で立ち向かったの!?」
いけないと思いつつ、口から出た大きな声に涙が溢れ出す
私の言葉に梨奈は眉を下げた