第14章 崩れゆく嘘[中]
声を掛け合いながら各々散らばって小さな友達を探し回った
いつもだったら...
大好きなチビが愛らしい鳴き声で私たちを迎えてくれたはずなのに...
「チビっ...!」
探しても、探しても...見つかるはずなんて無くて
駆け回りながら私は大粒の涙を流していた
(やっぱりあんな所にずっと置いていくんじゃなかったっ...)
悲しさと後悔ばかりが胸に膨らんで、璃央は思わず立ち止まり蹲る
「璃央!」
突然、腕を掴まれて璃央は顔を上げた
同じように目を真っ赤にした駿が肩で息をしながら私を見ていた
「チビが見つかった!」
「...っ!」
腕を掴まれて一瞬止まりかけていた涙が再び溢れてくる
しかし、すぐに駿の表情は苦しそうに歪められた
「でも...梨奈がっ...!」