第14章 崩れゆく嘘[中]
「名前は...?」
恵は首を傾げると子猫の頭を優しく指で撫でた
「ニャン太郎!」
駿のセンスの無い名前に3人は一斉に首を横に振る
「駿...それ本気?」
「絶対ヤダ!」
「ニャン太郎...可愛いけど、この子には合わないかな...」
「えー...、いいと思ったんだけどなぁ...」
不服そうに唇を尖らせる駿に対して、梨奈は楽しそうに微笑んだ
あーでもない、こーでもないと話している私たちを梨奈の手の中から子猫がキョロキョロ見上げる
その様子を見て璃央はふと呟いた
「...チビちゃん」
その呟きに皆の視線が集まった