第14章 崩れゆく嘘[中]
「今日は何して遊ぼっか!」
初等部5年の初夏
先に恵と歩いていた駿が笑顔でくるりとこっちを向く
学校からの帰り道、途中まで一緒に帰りながら4人でいつも遊んでいた
帰り道の途中にある公園が私たちの思い出の場所
「あのね、皆に見せたいものがあるの」
私の隣で小さく呟いた梨奈に視線が集まる
いつもの公園
公園の中へ入るなり梨奈が草の茂みへと真っ先に走っていった
梨奈の後を追いかけて3人も茂みへと入ると...
「みゃあ」
しゃがみ込んだ梨奈の足元で、箱に入った子猫が小さく鳴き声を上げた
「わあ...!」
子猫を見た瞬間、可愛らしさに思わず声が出る
恵も駿もあまり見る事のない子猫に目を瞬かせて食い入るように見ていた