第13章 崩れゆく嘘[上]
「恵は、あなたに出会った事を後悔してるわ」
「...っ」
「後悔して当然よね、大切に想ってた女の子とそっくりなんだもの。誰だって想いは蘇るし期待する。でも、外見が似ていても中身が全く違っていたら...どうする?」
「......」
「今は亡き人への想いだけが募って、ただただ苦しいだけよ。恵は梨奈の死の事で深く自分を責めいていた。あなたに出会った事で、その想いも再び強く現れてしまったのよ」
「私に...出会ったから...」
愕然と呟くあゆの声に璃央は笑みを深くした
「もう分かったでしょう?あなたが恵に近づいても迷惑なだけなのよ。好きなんだったら尚更...ね。これ以上、私たちに関わらないで」
最後にそう言い放つと璃央はその場から去っていった
(雨宮君は私と出会った事を後悔してる...)
璃央の言葉が頭の中を駆け巡って、あゆは呆然と立ち尽くしていた