第13章 崩れゆく嘘[上]
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振り返ると璃央ちゃんが立っていた
「璃央ちゃん...」
「こんな所で何してるの?」
「えっと...」
感情の読めない璃央ちゃんの瞳が怖い
小さく呟いたあゆの言葉に、璃央は眉を寄せた
「もしかして、恵を引き止めに来たの?」
冷淡な声色に表情が強張る
周りの空気が冷たく張り詰めた
「あなた...、自分の行動は全て恵の為だって思ってるのかしら?」
「そんな事...」
「悪いけど、あなたじゃ梨奈の代わりにすらならない」
「...っ」
「所詮、梨奈の仮面を被った別人よ。全然違うもの」
言葉一つ一つが胸に突き刺さる
鋭い痛みが次々に走って、あゆはただ痛む胸を押さえる事しか出来ないでいた