第13章 崩れゆく嘘[上]
翌日も武本君と共に雨宮君たちに会うために学校へと来ていた
(今日は学校で会えるラストチャンス。何としてでも雨宮君たちを探さなきゃ!)
暫く校内を探し回った後、私たちは校庭のベンチに腰掛けていた
私の隣では武本君が険しい顔で携帯を耳に当てている
「...だめだ。恵も璃央も、葵も出ない」
携帯を下ろし首を振った武本君は力なく息をついた
「生徒会室にいても来ないって事は...手当たり次第探すしかないか」
そう呟く武本君の横顔に焦りが見える
今日会えなかったら、もう日本を発つ当日しかない
そこでゆっくり話せるとは思えないし...
当日を迎えてしまったら引き止めても日本に留まる可能性は格段に低くなるだろう
よく考えたら、私は雨宮君の事をよく知らない...
こんな時どこに行ったら会えるのかも分からない
力になるなんて啖呵を切って言ったはいいものの、私の力なんて本当に微力なんだと感じた