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第13章 崩れゆく嘘[上]
「恵...、聞いたよ。フランス...行くんだろ」
勇介の言葉に恵は目を伏せると小さく息をついた
「ああ...」
「...霧島って子と婚約したってのは、本当なのか?」
恵は表情を変えないまま黙り込んだ
そんな恵を見て勇介の表情は一層暗くなる
「俺...。恵は、椎田の事が好きなんだって思ってた」
思わぬ言葉に恵はゆっくりと視線を上げる
その瞳は僅かに揺れ動いていた
そんな恵の様子に勇介は目を細め微笑む
「...俺も、そうだから」
「...っ!」
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