第11章 絡まった想い[中]
額を優しく撫でる感触にゆっくり目を開けた
「あゆ」
ぼんやりとまだハッキリしない視界の中で私の名前を呼ぶ人物
この声...
私が聞きたかった声...
「あ...まみやく...」
(なんでだろう...上手く喋れない。クラクラする...)
無意識に手を伸ばすと大きな手に指を絡め取られた
繋がれた手から感じる優しい温もりにホッとして再び目を閉じる
気持ち悪かったハズなのに
魔法にかかったみたいに楽になった
「そうだ...、水飲んだ方が...」
離れていく彼の手を離したくなくて指先にキュッと力を込めた
「...ッ、あゆ?」
「行かないで...」
掠れた声で小さく呟いた
こんな事言うなんて、変かな...
雨宮君との事で、あんなに嫌な思いしたのに
今はもう嫌じゃない
だって、私......
「雨宮君...、会いたかった...」
「...え?」
彼の声に目を開けると、瞳を揺らしている雨宮君が目に入った