第11章 絡まった想い[中]
「......」
胸元にすりすりと頬を寄せている璃央を無言で見下ろした
「恵!やっぱり来てくれたのね!」
「お前が強引に拉致ったんだろ」
「スーツよく似合ってるわ。私が選んだのよ!気に入ってくれた?」
「いい加減離れろよ...」
コイツの甘ったるい声が嫌いだ
頭を掴んで無理矢理引き離そうとしても腕にしがみついてきた
「恵のいじわる...」
(何なんだ、コイツは...)
璃央の様子に嘆息しかけた時、璃央が「あっ...」と声を上げ指を差す
反射的にその先を目で追った
そこにいたのは...
勇介と仲良く話しているピンクのドレスを着た少女だった
言いようの無い胸の締め付けを感じて
一瞬、息をするのも忘れるほど見入っていた