第11章 絡まった想い[中]
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「...はあ」
ざわめく広間と人の波を見て、恵は盛大に溜息をついた
璃央の知り合いの中には自分の知り合いもいる
声を掛けられる度に足を止められて恵は既に疲れきっていた
こんな所になんて来たくなった
あゆが来ていなかったら、来る事なんて絶対無かっただろう
あいつの事だから、警戒して行かないだろうとも思ったけど
朝迎えに来た奴ら...
こっちの話は完全無視で強引に車に乗せられた
拉致とも言えるようなあの迎え方だ
抵抗しても、招待した奴は強引に連れて来ているんだろう...
「はぁ...」
今日何度目の溜息だろうか...
こんな場所からとっとと去りたい所だがそんなワケにもいかない
(璃央たちが何考えてんのか知らねえけど、早くあゆを見つけないと...)
渋々周囲に目を向けて人混みの中、1人の少女を探そうとした瞬間
自分の胸に誰かが飛び込んできた
真っ先に見えたのはサラサラとした金髪
その後ふわりと揺れた白いドレスが見えた
そして...苦手な甘ったるい香水の匂い