第9章 乱されるココロ

璃央様...
私は貴女にお仕えしている執事
貴女を一番に慕い、決して逆らう事など許されない

ですが...私は、不意に貴女が恐ろしくて仕方が無い時がある

「そうだわ。あの子...椎田あゆにも花を届けてあげて。綺麗なマリーゴールドをたくさん...ね」

そう微笑む璃央に背筋が震えた

マリーゴールドは”悲しみ”
それ以外にもこんな意味がある

―――”絶望”

８月１２日
この日に恵様は気づいただろうか...

３年前...
松下梨奈が亡くなった日だという事を...