• テキストサイズ

恋愛玩具

第9章 乱されるココロ



「葵...。お前があの時、俺を止めなかったら...梨奈は...」

恵の言葉に葵は一瞬目を伏せると、軽く息をつき口を開いた

「...今回はある用件で伺わせていただきました」

手で額を押さえ俯く恵に反応は無い
葵は小さく息を吐くとそのまま話を続けた


「椎田あゆの事について、お伺いしたいのですが」

「!?」

あゆの名前を聞いて思わず立ち上がった恵に、葵は笑みを浮かべた

「随分、反応なさるのですね」

「なんで...あゆの事知ってんだよ」

鋭く睨み、低く呟く恵
それでも葵は怯む事無く穏やかに微笑んでいた

「璃央様がとても興味をもたれたようで...。同じクラスの恵様にお伺いすれば何か聞けるかと思いましたので」

(璃央が?なんであゆに興味を...)

「――...!」

まさか...

目を見開き眉を寄せる恵の様子に葵は目を細める

「我々がこの学校へ来る以前に、恵様は彼女と親交があったとお聞きしたのですが...」

恵の反応を探る様に揺れ動く葵の瞳
意向の分からない問いかけに恵は自分の心を悟られないように、ただ冷たい視線を向けた

/ 311ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp