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恋愛玩具

第9章 乱されるココロ



「.....ッ!」

ろくに前も見ないで歩いていたからだろう
何か、大きなモノにぶつかってしまった

「...っ痛」

顔をしかめて鼻を押さえる

「え....椎田!?ご、ごめんっ」

聞き慣れた声に顔を上げると心配そうに眉尻を下げた山口君が立っていた

(あ...確か、前にも...)

「鼻打った?大丈夫...?」

山口君の大きい手のひらが私の頭をそっと撫でる
その瞬間、胸の奥がドクンと脈打った

「あ...だいじょ...」

「あれ?椎田って、もしかして椎田あゆ?」

私の言葉を遮って割り込んできたのは、山口君の後ろから顔を覗かせてきた男子だった

バスケ部の部員らしきその男子は突き刺さるような視線で私を見てくる

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