第9章 乱されるココロ
違う...
あんな無理矢理なキス、本当のキスじゃないっ...!
好きな人とするのが本当のキスなんだから...
「あゆ?」
目の前で手を振られ我に返ると、顔を覗き込んできた咲綺に眉を下げて苦笑した
(何考えてるんだろ...。私、最近変だ...)
雨宮君に解放されたのに考える事全て雨宮君に繋がってしまう
俯いて溜息をついた私の頭を咲綺が優しく撫でた
「大丈夫...?」
心配そうに見つめてくる咲綺を見て胸が締めつけられた
早く、咲綺に安心してもらえるようにならなきゃ...
「ありがとう、大丈夫」
顔を上げると頭を撫でる咲綺に向けて微笑む
上手く笑えてたか分からないけど、咲綺も笑顔を見せてくれた