第9章 乱されるココロ
「山口君!」
「やっぱり。椎田だ!」
にっこりと微笑む山口君を見て、私は安堵の溜息をついた
(また、水かけられるかと思った...)
「悪い...驚かせた?」
苦笑して頬を掻く山口君に私は首を左右に振る
「大丈夫!...ちょっとビックリしたけど」
肩を竦め笑った私に山口君も「ごめん」と言って笑った
そういえば、どうして山口君がいるんだろう?
確か、バスケ部の部長...だったはず
(部活はいいのかな?)
「山口君、部活は?」
「ああ、今は休憩中。飲み物無くなって買いに行ったら椎田を見つけたから」
そう言って手に持っていたスポーツドリンクを持ち上げた
「椎田は...何してんの?」
私の隣へ来ると大量のタオルを見て山口君は首を傾げた
水道の上に手を置き覆いかぶさってくるように覗き込んできた彼に思わず鼓動が速くなる