第8章 癒えない傷
「それでね、あの子雨宮君と駿君と初・中等部、同じ学校だったんだって!」
「まじで!?」
「そっかぁ、だから朝雨宮君たちと一緒にいたんだ!」
そう声を上げたのは理花とゆかり
興奮している3人を見て私はただ意味が分からず首を傾げた
「えっと...。雨宮君と武本君って幼馴染なの?」
その瞬間、3人が固まった
「あゆ、知らなかったの!?有名な話だよ!」
「あはは!あゆって面白いね~」
目を丸くするゆかりと大笑いする理花
私は困ったように咲綺を見ると、呆れたように眉尻を下げていた
「本当あゆって、興味ない事はとことん興味ないんだね...」
「ご、ごめん...。それで、なんで皆そんなに興奮してるの?」
知らないものは知らないし...
私は素直に思ったことを口に出した
「あゆ、さすがに紅蘭(コウラン)学園は知っるでしょ?」
「お金持ち学校の?」
「お金持ち...っていうか、各業界セレブの子供が多く通ってる学校かな」
ゆかりはそう言うと苦笑した