第8章 癒えない傷
終業式とHRが終わって教室が騒がしくなる
鞄に荷物を入れていると理花とゆかりが近寄ってきた
「あゆ~」
「理花、ゆかり」
「やっと1学期終わったね~!」
「長かったなあ、夏休みはあっという間だろうけど」
ここ1ヶ月の間に色んな事が自分の周りで起きて、あっという間に毎日が過ぎていった
(ここ最近は辛いことの方が多かったな...)
理花とゆかりが話している様子を見てあゆは昨日までの事を思い出していた
茉莉と仲が悪くなった今、クラスでは理花とゆかりが一緒に居てくれる
もしかしたら、話しかけてくれるかもって少し期待したけど...
理花たちが言っていた通り、私の事を避けているようだった
あゆはぼんやりと窓の外を眺めている茉莉を見て、胸がツキンと痛んだ
「ほら!あの子だよっ」
「今朝、雨宮君と一緒にいた子!」
突然 廊下が騒がしくなる
「なんだろ...?」
「行ってみよう!」
理花とゆかりも廊下の様子が気になるのか、呆然としている私の腕を引っ張ってきた
「ほらっ、あゆも!」
「あ...うん」