• テキストサイズ

恋愛玩具

第8章 癒えない傷



蝉の声がうるさい

学校も今日で1学期は終わり、明日から夏休みだ
昨日はよく眠れなかったせいか少し体が重い...

「恵!おはよう」
「雨宮君おはよ~!」
「先輩、おはようございますっ」

「おはよう」

挨拶してきた生徒たちに笑顔を向ける


昨日、あゆのイジメを知って
あゆを失った...

昨日の今日なのにいつもと変わらない朝

生徒会室に入って溜息をひとつ
目を伏せると自然と頬を伝って涙が落ちた

「...俺だけ、取り残されたままだな」

胸元を掴み小さく呟いた言葉は誰にも届かず静かに消えていった

脳裏に浮かぶのは1人の少女の笑顔
恵は薄く目を開け頬の涙を拭った

/ 311ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp