第7章 ちぎれた鎖
「あゆを苦しめるきっかけは確かに雨宮君だったのかもしれない。でもね、助ける事が出来たのも雨宮君だけだったと思うの。だから今は雨宮君にすごく感謝してる。それにね、雨宮君は...」
「私は...そう思えないよ」
そう呟いた私を見て咲綺は悲しそうな顔をした
「咲綺も話聞いてイヤだったんでしょ?雨宮君の事、いいと思ってたじゃん」
「......」
突然静まり返る保健室
急に気まずくなった空気に戸惑い、あゆは眉を寄せた
「咲綺?」
少し頬を染めながら黙り込んでしまった咲綺を見る
(私...何か変なこと言った...?)
「あのさ、あゆちゃん」
「...?」
沈黙を断ち切るように武本君が口を開いた
「俺たち...付き合ってるんだ」