第7章 ちぎれた鎖
(ヤバい...咲綺にこの話は...)
「ちょ...ちょっと武本君!」
「えっ?」
武本君の腕を掴むと思いきり引っ張った
「どうしたの?」
「さ...咲綺の前で雨宮君の話はちょっと...」
咲綺には聞こえない声で耳打ちする
武本君の腕を掴む手が震えた
「大丈夫、咲綺ちゃんも知ってるよ。...ね?」
「な、なんでっ!?」
驚いて咲綺を見ると、咲綺は困ったような表情で遠慮がちに呟いた
「武本君からあゆの話聞いた時にそれも聞いたんだ...」
「ちょっと、武本君!」
(なんで咲綺に言っちゃうかなぁ...)
「あのね、あゆ。確かに...最初聞いた時はすっごく腹が立ったし、ショックだった...」
落ち込み顔を伏せる私に近づいて顔を覗き込んできた