第7章 ちぎれた鎖
「咲綺!武本君も、どうし...」
「あゆっ。怪我してるのにっ...!私がするから座ってて?」
2人の姿に目を丸くする私の元へ咲綺が駆け寄ってくると、体を労わりつつソファーへと座らせてくれた
「ちゃんと安静にしてなきゃ、ね?」
武本君が私の顔を覗き込んで微笑んだ
「あ...うん。ありがとう」
頷いて微笑み返すと武本君も咲綺を手伝おうとベッドへと向かった
(武本君。最初は不思議な人って思ってたけど...いい人だよなぁ)
「ねえ、あゆ...」
「ん...?あっ!」
ベッドを片付け終えた咲綺の手には壊れた携帯が握られていた
「ベッドの上に置いてあったんだけど、これあゆのじゃないよね?...どうしたの?」
「えっと、それは...」
どう答えればいいか分からず困っていると、武本君が咲綺に近寄った
「これ、恵の携帯?」
そう呟いた駿の言葉に少し間が空いた後、咲綺は「えっ!?」と目を丸くした
「そっか...。あゆちゃん、恵から解放されたんだ」
「うん...って、武本君知ってたの!?」
顔を赤くして駿を凝視したあゆに対して、駿は肩を竦め微笑んだ
「知らなかったら助けてあげられなかったでしょ」
ふと彼の隣にいた咲綺と目が合う