第7章 ちぎれた鎖
「前みたいに仲良くしてくれたら、私はそれでいい」
笑顔を見せそう告げると、皆が目を潤ませていた
「あんなに酷い事してきたのに...」
「椎田ってすげぇ良い奴だったんだな」
数時間前まで酷い目に遭っていたのがウソみたい
これで、今までの悪夢から開放されるんだ
本当に全部終わったんだ...
「ねえ...、あゆ」
咲綺が軽く腕を引っ張った
「ん?」
「茉莉がいない」
(そういえば...)
「あ...茉莉の事だけど...」
茉莉がいない事に気づいた瞬間、理花とゆかりの表情が暗くなった
「茉莉だけは納得してなくて...。ずっと”私はウソなんかついてない!全部あゆが悪いんだ!”って聞かなくて...」
理花がそう言って眉を寄せた
茉莉は私の事がキライなままなんだ...
あんなに仲良かったのに...
「茉莉はそんな感じだけど、私たちはあゆの味方だから!」
そう言ってゆかりはニッコリと微笑む
「これからあゆに何かあったら全力で助けるよ!」
理花の言葉に皆も頷いた
「ありがとう...、皆」
皆の誤解が解けたのは良かったけど...
やっぱり、もう茉莉とは仲良く出来ないのかな...