第7章 ちぎれた鎖
「あゆ。もう、我慢しなくてもいいんだよ」
私の心は汚れてしまったのだろうか...
咲綺の優しい笑顔が
怖いと感じてしまうなんて...
「あの時...」
黙って震える私を見て咲綺は表情を曇らせた
「今日廊下で会った時...泣いちゃいそうでダメだったんだ」
「え...?」
目を見開いて咲綺を見つめる
「あゆの事は武本君から聞いてた。あゆの事助けたくて、武本君と色々考えてたんだ。だから...あゆとなかなか一緒に居られなくて...。久しぶりに見たあゆは、やつれてて辛そうに笑うから、どうしても耐えられなくて...」
無視されたと思ったあれは...違ったんだ
「あゆ、本当に...ごめんね」
咲綺は俯くと涙を零した
(咲綺も...辛かったんだ)
「咲綺は何も悪くないよ。...助けてくれて、本当にありがとう」
「あゆ~っ...!」
涙でぐちゃぐちゃの咲綺が抱きついてきた瞬間、突然保健室の扉が開いた