第13章 襲撃
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「ーー争奪戦と行こうか。なぁ?
付喪神共ッ……!」
廣光はお構いなしに大太刀を振りかぶった。
三日月は咄嗟に湯女を抱えて伏せると、たった一振りであっという間に湯女の部屋は半壊する。
『……ッ、やめて!』
「……。やめない」
廣光は湯女を見下すように冷たい視線を落とすと、近付いてきたであろう刀剣たちと対峙しては容赦なく刀を振った。
各々が反応を示す中、
一筋の刃が、
鋭く廣光の刀を受け止めた。
「お前は……たしか」
「人の本丸に土足で踏み込んでくるな、このまがい物が」
「まがい物だと……?この、美しい大太刀を前にしても、そんな減らず口が通用すると思うなよッ!!」
刀を受け止めたのは、大俱利伽羅だった。
廣光の刀を押し返そうとするも、急にかかる重みに驚き目を丸くした。
廣光は力任せに押し込むと、受け止めていた大俱利伽羅の身体は少しずつ力に押し潰されるかのごとく姿勢を落としていく。