第13章 襲撃
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「また、夢を見たか」
『……うん。小さい、俱利伽羅が出てきたわ。ねぇ、竜の嫁って……何?』
「嫁か。そうだな、ある意味そのままの意味とも言える。
お姫は異類婚姻譚を知っているか?」
『確か、異なる種類の存在と人間が結婚すること……だったかしら。
審神者になる前、研修で習った気がするわ』
「その通り。つまり、お姫は今結婚前の身とも言えるわけだ。ははっ」
『絶対笑い事じゃない気がする』
ーー異類婚姻譚。
その名称を聞いた湯女は、先ほどよりも真剣な眼差しで畳を見つめる事となる。
「きっとお姫のことだ、真面目に悩んでいるのであろう。だが、悩み必要など毛頭ない」
三日月の言葉に、湯女はふと顔を上げた。
「所詮、交わらざる者同士だ。拒絶する以外、道はあるまい」
『でも……! それだと、傷付けちゃうわ……っ』
「誰を?」
『だ、誰って……』
一瞬、なぜか廣光ではなく……大俱利伽羅の顔が浮かぶ。