第2章 転落
普通走馬灯でも見えるんだろうけど……。
そんな間もなく地面に叩きつけられるんだろうなぁ。
そんな事を考えながら、瞼を閉じる。
そしてーー身体に来るであろう激痛を待つのだった。
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が、一向に身体が地面に打つかる衝撃はやって来ない。
オカシイ、そう思った矢先だった。
「人……?!」
そんな声が下の方から聞こえてきて。
「え」
思わず目を開けてしまった。そして思考が停止する。
目の前に広がるのは見慣れた都会の景色ではなくーー見慣れない中華風な建物と木々。
明らかに私の知らない土地そのものの風景だった。
自分が今、一直線に落ちていることも忘れて息を呑む。
ココは一体……? 私は知らぬ間にシンで天国にでも来たのだろうか。
それにしては、あまりにオカシイ。
私には怪我をして意識を失った記憶も痛みもないのだから。
だとすれば、ここは何なの?
そんな疑問で思考が満たされた時だったーー