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白龍皇子の従者は薙刀トリップ少女

第4章 シンドリアへ


駄目だ、考えたって仕方ない。
分からないなら尚更、皆の話を聞かないと。

思い直して改めて状況を確認する。
紅玉はマギという少年と赤髪の子と一緒にいて、白龍さんは……。

「……?」

金髪の、アリババさんと話してる最中みたいだ。
だけど、アリババさんの様子が可笑しい様な?

「アリババさん……?」

私が呟くのとアリババさんが地面に倒れるのとはほぼ同時で。
私達は言葉を失った。

――――

倒れたアリババさんは苦しげにベットに横になっている。
見ている方まで辛くなってくるような、苦しげな表情をしていた。

何も出来ず黙り込む私たちの元にシンドバット王がやってくる。
それを見てアリババさんが説明しようとしたところで……ソレは起きた。

「全くここまで唆しても動かぬとは……」

不気味な声が響いたと思ったら、アリババさんの腕を蝕んでいた黒い痣が浮き出して人の形に変わった。

不気味な男を見てシンドバット王は有無を言わずに斬りつける。
男は縦に割れるが血飛沫とともに再生し何とも無いようだった。

「何だこの血は」

血飛沫を諸に浴びたシンドバット王がそう声を漏らす。
不気味な色合いのそれはただの血液ではないらしく何かの呪いらしかった。

ルフにソロモン? それに堕天?
聞き慣れない言葉を次々に言う男に理解が追いつかない。
分かるのは、この不気味な男が敵であり、さっきの血液が危険なものであるという事だけだった。

男はそれだけ告げると消えて……後には立ち尽くす私達だけが残された。

――――

シンドバット王はすぐに手当てを受けて、皆はただ様子を見ているしか出来なくて。
沈黙だけが続いた。

そんな中で話し出したのは、被害を一番受けたシンドバット王だった。

「心配するな、呪いなどというものは存在しない。これだって魔法の一種だろう」

言って手当てをしていた女性に補足を求める。
私はその説明を知識が無いながらにただ聞いていて、分からないことがこんなにも無力なんだと痛感せざるを得なかった。

話を聞いていて、この魔法を解くには迷宮と呼ばれる場所を攻略する必要があるのだと、シンドバット王は言った。
攻略者はジンと呼ばれる精霊から力を得られるのだとか。

確か、シンドバット王や白瑛さん、それに紅玉やアリババさんも攻略者なんだよね。
これはさっき紅玉に教えてもらった情報だった。
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