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白龍皇子の従者は薙刀トリップ少女

第4章 シンドリアへ


鍛錬を終えた後、汗を拭いシャワーを浴びた私の元に一通の手紙が来ていたことに気づいた。

「白龍さんから……?」

どうやら部屋を出ている間に来ていたみたいで、お昼頃に一緒に来てほしいとの旨が書かれていた。
何の用だろう? シンドリアに着いてからまだ一度も話せていないせいか緊張する。

だけど、自分の気持ちには整理をつけたのだ。
だから今まで通り振舞えばいいはず。

そう決めて白龍さんの用に付き合うまでの間、部屋でゆっくりと過ごす事にしたのだった。

――――

時間は過ぎて、今私は部屋を訪ねてきた白龍さんと同じく呼ばれたらしい紅玉と一緒にある人を探していた。

その人の名前は昨日も聞いた《アリババ》という人だった。
気になっていた人だから、こうして白龍さんが誘ってくれた事は嬉しい。

それを言う気にもなれず二人の後ろをただついて歩いていた。
そんなこんなでさ迷う事十分程度……中庭に探していたその人達を見つける。

白龍さんも気づいたようで、すぐに近づいて――

「お話のところ失礼します、シンドバット王の命を受けてお三方を探しておりました」
「……私はただの付き添いよ」

二人がそう言うと話し込んでいた三人の視線が此方へ向く。
私は何も言わず軽くお辞儀をした。

「シンドバットさんの命令って?」
「はい、三人と共に行動し彼等から学べと、今日からどうかよろしくお願いします」

白龍さんはそう言うと三人のうち背の低い男の子に歩み寄って。

「貴方がマギですね、黄河の草原で姉、白瑛がお世話になりました。姉を救って下さり本当に感謝しています」
「お姉さんは元気にしているかい?」

どうやらこの子は白瑛さんの恩人にあたるらしい。
事情は聞いていないからあまり分からないけど……。

考えながら成り行きを見守っていると、不意に金髪の彼の視線に気づく。
ゾクリとした、凄く……

「怖い目」
「っ」

今正に思った事を隣にいた紅玉がそのまま口に出す。
吃驚した……心を読まれたのかと思った。

そんな訳無いのに、思っている間に金髪の彼と紅玉のやり取りは続いて……。
言い知れない空気の重さと、此処にいるメンバーの不仲差を目にしてしまった。

何も分かってないのって私だけ?
それって凄く浮いているし邪魔な気がする、そもそも付き添いなら紅玉だけでよかったんじゃ?
そんな考えが脳裏を過ぎって……
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