第4章 シンドリアへ
それを思い返し照らし合わせながら話を聞いていると、話は誰が迷宮に向かうかというところになっていた。
シンドバット王は、事情があって行けない様だし、それなら行くのは――
おそらくアリババさん達なんだろう。
そこまでは予想が出来たから驚かなかった。
だけど、今まで黙っていた白龍さんが口を開いて。
「それなら俺も行きます」
と、断言した。
真剣な表情に迷いや嘘は無く、私は昨日見てしまった白龍さんの姿が蘇って。
「それなら私も連れて行って下さい」
後先考えずに、気がついたらそう言っていた。
私の言葉に白龍さんは凄く驚いた顔をして、
「なっ、瑠花殿は残って下さい、迷宮は危険な場所なんですよ!」
と怒られてしまった。だけどそれは白龍さんも一緒なはずで。
「嫌です、白龍さんが行くなら私も同行します。私は……そのために此処に居るんです」
「っ、ですが……」
強い口調ではっきりと言い切ると、白龍さんが何かを言う前にシンドバット王が口を開いた。
「いいじゃないか、そこまで言っているんだ。迷宮には彼女も一緒に行くように」
「有難うございます!」
シンドバット王の言葉に私は深く感謝をして頭を下げた。
白龍さんは未だ納得できない、という表情をしていたけど、それ以上は何も言ってこなかった。