【ハイキュー】 poco a poco (ポコ ア ポコ)
第3章 追試対策はじまる
放課後。
図書室で影山と日向は向かい合って座り、頭を抱えていた。
「なあ、影山おまえこれ分かる?」
「いや、さっぱりわかんね。もうどこから教科書読み直したらいいのかもわかんね」
「だよなー。あとで菅原さんに聞いてみようかなー。って、あれ?」
「どうした?」
「昼間の3年生!!」
大きな声を上げた日向に視線が集まる。
目があった彼女は昼間と同じように驚いた表情をみせ、日向のところへ歩み寄ると
「大きな声出しちゃだめだよー。ここ図書室。」
「すんません」
「いっつも一緒にいるんだね。どうしたの?勉強?部活は?」
「べつにいたくて一緒にいるわけじゃないです」
「たまたまですよ。たまたま、俺たち二人とも追試で……」
彼女はふーんと頷きながら、日向の数学のノートを覗き見る。
「ここは、この式じゃなくて、問題の式を変形してからこっちの式を使うとできるよ。」
スラスラと日向のノートに計算式を書き込んでいく。
「あ、ほんとだ!すげー!あざっす!」
「どういたしまして」
「あ、それ……昼間転んだとこですよね。ほんとすいませんでした。まだ痛いですか?」
ばんそうこうの貼ってある腕を見ながら謝る。
「ぜーんぜん?なんともないよ。勉強がんばってね」
そう言って、少し離れた席に腰かけた。
「私、ここで勉強してるから。また分からなかったら聞いて」
「あの、俺も良いですか。化学と世界史なんですけど……」
影山もここぞとばかりに質問に行く。
「どこ?」
「これなんすけど……」