【ハイキュー】 poco a poco (ポコ ア ポコ)
第10章 うごきだす
「え?なに今の。」
さすがの清水も戸惑いを隠せない。
澤村はニヤニヤしながら言う。
「いやー、俺も全く知らなかったわ。まさか清水とスガがねぇ……。」
「ちょっと、ふざけないで。」
清水が澤村を軽くにらんだ時
「なになに?何の話?」
菅原がタイミングよく首を突っ込んできた。
「それがさー。ちょっと聞いてくれよスガ……」
「もう、やめてよ。話広げないで。」
話したそうにする澤村を清水が止める。
菅原は何のことか分からずに二人を見比べていたが、
どうやらそれ以上は話が続かないと判断して話し始めた。
「あーあー、みーのやつ、あんなに楽しそうにしちゃってさ。」
視線の先には、日向、影山、田中にじゃれられている立花の姿。
「はーあ。俺ちょっと複雑だなー。」
「ずっと保護者してきたんだもんな。」
澤村がうなずく。
「あいつさ、俺が言うのもなんだけど、そこそこかわいいし、性格だって人懐こいから、
普通に学校通ってたら人並みにモテただろうし、
彼氏の一人や二人できてたと思うんだ。
でも学校来れなくなって、
そういう可能性がない中で俺だけがあいつのそばにいられて、少し安心してたんだ。
今回良い調子で学校に戻ってこれそうで、
もちろん嬉しいんだけど、
あーそろそろ俺も覚悟決めないといけないなって思ったわけ。
俺はずっとそばで守って行きたいなって思ってるけど、
それもいつまでも押し付けてもだめだべ。
あ、でも悪い男にだけは騙されないように見張っとくつもりだけどな!」
菅原の話を聞いて、澤村と清水は顔を見合わせた。
そして、同時に笑い出す。