【ハイキュー】 poco a poco (ポコ ア ポコ)
第9章 小さなきっかけと大きな変化
それから追試までの期間、立花は休むことなく学校に通えた。
そして、この日が追試を前日に控えた最後の図書室勉強の日。
「もう二人とも、ばっちりだね。追試も落ち着いてやれば絶対大丈夫。」
「立花先輩のおかげです。毎日ありがとうございました。」
「本当に助かりました。ありがとうございました。」
「いえいえ。私も楽しかったから。
今日で終わりってちょっと寂しいくらいだよ。」
そう言って立花は笑った。
そして、ずっと聞いてみたかったことを口にする。
「ねえ、ひとつ質問しても良い?」
「え、なんですか?俺たちに答えられることならですけど……。」
「こうちゃんってさ、部活でどんなかんじ?」
「菅原さんですか?どうって……いつもあんなカンジだよな?」
「俺たちの面倒もよく見てくれますし、
みんなからも信頼されてていい先輩っす。」
「そっか。ちょっと前まで元気なかったみたいだけど、じゃあもう大丈夫かな。」
「あー、それはきっと旭さんのことですね。
それならもう心配ないですよ。完全復活してるので。」
「そうなんだ。私、こうちゃんから部活の話たくさん聞いてるけど、いっつも大地が、日向が、影山がって誰かの話ばっかりで。
それも楽しそうに話すから全然いいんだけど。
こうちゃん自身は、部活でどうしてるのかなって、ちょっと気になってたから。」
立花がそう話すと、日向と影山は顔を見合わせた。
「気になるなら、見に来ればいいじゃないですか?」
「どうせこの後、部活終るまで菅原さんのこと待ってるんですよね?」
二人は当然のことのように提案してくるが、
立花にとってそれはなんだかとんでもないことのように感じられた。