【ハイキュー】 poco a poco (ポコ ア ポコ)
第7章 傷は、少しずつ深く
それでも少しずつ学校へ行く足取りは重くなっていった。
二学期が始まってからは、週に二回三回と学校を休む日も増えてきていた。
特に先日の球技大会では自分が足を引っ張ったのが原因とはいえ、大変な目にあってしまった。
ただただ募っていく、孤独感。
学校を休んだ日でも、ごはんは菅原の家族と一緒に食べた。
それでも菅原は特に何も聞かなかった。
立花の親も、特に厳しくは言わなかった。
菅原家のリビングで、お茶を飲みながらゴロゴロしていた時のこと。
「これ、今日のノートとプリント。」
「ありがと。明日の朝までにポスト入れとく。」
立花の休んだ日のノートとプリントの受け渡しはすっかり日課となっていた。
「明日から、朝学校行くときにみーの家に取りに行くから。」
「え?」
「ノート。だからその時返して。ていうか、ノート貸してない日も、朝は立花家で朝ごはん食べることになったから。」
「え。どうしてわざわざ……」
立花はそこまで言って気づいた。菅原は、これから毎朝、立花を迎えに来るつもりだ。
「おばさんにも、俺の母さんにも了承済み。
元々うちで夕飯食べる日のほうが多かったしな。うちはそんなの気にしてないけど。
ぜひ朝ごはん食べに来て、っておばさんからお誘い受けてんの、俺。」
「……うそ。」
「ほんと。そういう訳だからさ、寝てたらみーの部屋まで起こしに行くからな。」
立花は驚きと戸惑いでめまいがした。