【ハイキュー】 poco a poco (ポコ ア ポコ)
第6章 思い出したくないあれこれ
学校を風邪で休んだ。
翌日に学校に行くのは少し気が重い。
「ねえ、りさちゃん。昨日の現代文のノート、借りても良いかな。私休んじゃったから。」
立花が恐る恐る頼むと
「あーごめん、その時間私寝ちゃってさ、全然取れてないんだよね。あとで私も誰かにかりなきゃなんだ。
あゆみ、持ってる?」
「えー私、字汚いからさ、とても美和ちゃんになんて見せられないっていうか。」
冗談なのか謙遜なのかそれとも他意があるのかないのか。
「え、全然あゆみちゃんの字汚くないじゃん。
見せてもらってもいいかな?」
立花が勇気を出してもう一度頼んでみる。
「いやいや、ほんっとに汚いから!美和ちゃんみたいな優等生にお見せできるものではありませんって。あ、そいえば昨日の体育の時間にさー・・・」
話が全く別の方向に流れてしまった。
立花は茫然とした。
いつも自分のノートは快く貸しているのに。
いやいや、そんな損得勘定みたいな考えはよくない。たまたまだ。たまたま、ふたりが私にノートを貸せない状況が重なっただけ。
あとで、ほかの子に頼んでみよう。
でも、もしまた同じように断られたら?私は、もしかして・・・。
思考がどんどん暗い方向へ行くのが分かる。