【ハイキュー】 poco a poco (ポコ ア ポコ)
第6章 思い出したくないあれこれ
菅原は朝練が毎日あったので、もう一緒に登下校することもなくなっていた。
それでも、お互い一人っ子で特に立花の両親の帰りが遅いことも多いため、夕飯はお互いの家で食べることが多かった。
「今夜は、菅原家はピリ辛から揚げです。みー、食べにくるべ?」
休み時間にメールが来る。すかさず返事を打つ。
「やったあ。行く!おばさん今日お休みなの?私帰ったら手伝いに行くって言っといて」
「そう。休みだってさ。了解。伝えとく。あ、つまみ食いしすぎて俺の分まで食べるなよ。」
窓際で男子数人と集まって喋っている菅原に視線を送る。目が合う。
いじわるそうに笑ってくる。
立花はぷーっと頬を膨らませてみせた。周りには分からないように。ほんの少し。
でも、菅原には伝わったようだ。何かメールを打っている。立花の携帯が受信する。
「ぶさいく!」
立花は携帯を閉じて、机に突っ伏してにやける。
学校での孤独なとき、菅原のメールにどれだけ助けられたことか。